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2010年2月4日(木) 21:52

ちょっと焦ったが動作

 完成したパワーメーターで励起用LDの測定を行ったところ、表示が0から動かない。

 808nm は僅かにカメラ感度があるため、発振しているかどうかは簡単に確認出来る。確かに受光部に当たっているのに、0.000がずっと続く。
 電源が入っていないなら、液晶表示も行われないはずだ。また、出力が接続された上での何かのミスなら、完全に表示が0.000というのは考えにくい。下位の桁が動いてしかるべきだ。

 そうなると、最初から配線が接続されていないという可能性が高い。チェックすると、パネルメーターへの電圧入力が1列ズレていた。これでは無接続と変わらない。
 パネルメーターの端子は片側6ピンだが、なぜか6列のピンヘッドが売っていなかった。仕方なく使わないピンを挟んで4列と2列に分けたが、これで配線時に錯誤したようだ。
 4列と2列のピンヘッドを隙間無く設置しようとしても、差し込めない。側壁が厚過ぎるのだ。

 励起用LDは、光出力11ワット以上出るものの10秒程度で9ワット強に落ちる。その後は9.1ワットでほぼ安定。
 定電圧+電流制限抵抗ならではの動きか。

 写真では、表示が切り替わる瞬間に撮れたようだ。

 続いて、YAGレーザーの出力を測定してみる。ビームエキスパンダーを通った後で、CW発振だと3.1ワット。QCW発振だと2.6ワットで安定。思っていたよりもQCWに伴う出力低下は少ない。
 QCWでも最初の10秒程度は3ワットを越えるので、ちゃんとしたカレントコントローラーを製作して励起用LDを動かせばQCWの3ワット出力も可能だろう。

 結晶オーブンのプログラムも少しずついじっては温度収束の状況を観察している。困ったことに、余りインテリジェントな制御は出来ない。熱容量の存在により温度変化にも慣性があるため、それを考慮して先回りの制御をしたい。ところが、それには現在温度だけでなく温度変化の速度を把握していなければならない。
 だが、A/D変換の分解能が10ビットと低いため、まともな計算は無理なのだ。少なくとも16ビット精度が欲しくなる。

 設定温度との乖離を元にした単純処理だと、ある程度安定するまで5分。ほぼ完全に安定するまでは10分程度を要する。もちろん加熱に要する時間に加えてだ。それでも日常運転になれば問題は小さいが、実験運転では少々困る。というのは、安定状態からターゲット温度を1単位(約0.2度に相当)変化させると、これまた安定に10分ほど掛かるのだ。実験時にはボタンで、ターゲット温度を変化させるのではなくPWM値を直接変化させる方が使い勝手がよさそうである。

 しかしもっとプログラムを煮詰めないとリスクがある。通常の室温変化なら問題ないが結晶をレーザーが透過することによる加熱で不安定になる可能性がある。PICのアセンブラで複雑な計算を行わせるのは難しく、単純な制御アルゴリズムを組むだけでも相当に時間を食われる。

written by higashino [パルスレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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