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2020年1月26日(日) 20:26

実は自作は簡単?

 確かに、ブラシレスモーターのドライバーをディスクリートで組むのは大変だ。しかし、ステッピングモーター同様に、ドライバーICの助けを借りればどうか?
 自作する場合は当然、市販ドライバーにできることは全てできたうえで、超低速にも対応できねばならない。

1)前進とバックの性能が同等。
2)100Aクラスの大電流を扱える。
3)ハイサイドにもNチャンネルFETを使用可能。
4)超低速から高速回転まで可能。
5)ホールセンサー3つに対応。
6)電源6〜9Vで動作可能。

 こうやって書き出してみると、ラジコン戦車って恐ろしくシビアな用途だよな。
 ラジコン用のブラシレスESCは、高性能品になるほど1)を満たさないという、困った市場傾向にある。自作なら、何の障害もない。
 ブラシレス用ドライバーICは、2)を満たすためFETが外付けのタイプを選ばねばならない。調べたところ、FETが外付けで、3)と5)と6)を同時に満たすものが殆ど存在しないと判明。ハイサイドはP型だったり、ホールセンサー1つ対応だったり、最低8Vないと動作しなかったり。そして、どのドライバーICを選択しても、4)に対応できそうにない。

 やはり、ラスボスは4)のようだ。

 市販ESCを超低速で使用したとき、PWM周波数のピー音が耳障りに出て、肝心のモーターは動かないという現象だった。これはブラシあり用の市販アンプと同じ症状なので、何が起きているのか想像できる。
 つまり、低速回転では電圧を落とし(PWMのDUTYを小さくし)、回転が速くならないと電圧を上げていないのだ。
 超低速回転させようとすると電圧が低過ぎて、ローターを回転させられるだけの磁界を発生させられない。

 だったら話は簡単で、超低速でも電圧を高くすれば良い。
 ブラシありモーターでは電圧を高くすると勝手に高速回転してしまうが、ブラシレスモーターやステッピングモーターは違う。相の切り替えが低速であれば、電圧と無関係に回転速度も低い。ステッピングモーターのマイクロステップ低速駆動の要領でブラシレスモーターをドライブすれば、ハイトルクで超低速回転するはずだ。

 ステッピングモーター同様、低速ではトルクを出せるだけの電圧を確保した上で、ホールセンサーを無視しオープンループ動作させる。そしてある程度速度が上がったら、ホールセンサーの信号に合わせて相を切り替える。ホールセンサーを利用する点ではクローズドループだが、速度制御は行わない。これなら、ソフトウェアが単純化できる。dsPIC など持ち出すまでもなく、たぶん PIC16F1579 で何とかなる。
 更にラジコン用なら、電流検出も無視。ハードも単純化できる。 

 ブラシレスモーターのドライブでは、回転速度をフィードバックして電圧を変化させ、負荷が変動しても回転速度を一定に保つ、という制御が好んで行われる。確かにそれは、電動工具などでは有用だ。しかしラジコンではどうか?
 クルマを運転するとき、急な上り坂ではアクセルを踏み込んでも加速が悪い。そういうのは自然で、負荷が大きいのに速度が落ちないのは、決して望ましい特性とは思えない。乗り物というのは、走行条件の良し悪しをドライバーが感じ取れるべきだ。
 だから、ラジコン戦車用のブラシレス駆動に、速度フィードバックは必要ない。ブラシあり同様、スロットルを上げれば電圧が上がり、それで速度がどうなるかは負荷との兼ね合い次第。

 FET6つでハーフブリッジを3つ作り、PICで制御。まずは超低速回転させられるかどうかを試すのが先だろう。
 そもそも実は、ハーフブリッジが既に4つ存在する。そう、ブラシありモーター2つをドライブするため、Hブリッジを2つ備えた自作ドライバーが、Sタンク車体中央に鎮座している。
 Hブリッジ2つとは、ハーフブリッジ4つでもある。うち3つを使えば、ブラシレスモーターを1つ動かせる。実は、パワー系のハードは流用可能で、新たに作る必要がない。正確に言えば、現状のFETブリッジは、ローサイドがPIC直接ゲートドライブで遅い。しかしローサイドの電流制限抵抗はコネクター部に取り付けてある。それを除去しTLP250を取り付ければ、ハイサイド同様の高速ゲートドライブ可能になる。

 その小改造だけ行えば、ブラシレス自作ドライバーの実験が可能だ。

written by higashino [Sタンク 1/16] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(1)] [TB(0)]

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Comments

『ほんと呑気だ』

このページ結構アクセスあるようだけど、
自作ブラシレスドライバーがほぼ完成した今となって読み返すと、
ほんと大甘な想定に驚いてしまう。

完成まで大変だった。でも苦労しただけの甲斐はあった。

written by IDK

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