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2022年5月24日(火) 21:42

一脚の罠

 次から次に発覚する、問題点。

 VR撮影では三脚に据えて一切動かさないのがベストである。それは、疑問の余地がない。
 しかし現実の撮影において、撮影対称の近くに三脚を立てられるような状況は皆無に近い。そのような撮影だけやるのであれば、撮影など殆どできない。少なくとも、アマチュアにとっては。
 手持ちで撮影できなければ、撮影機会など激減する。しかし、DUAL FISHEYE に手ぶれ補正は無いし、IBIS を搭載した EOS R5 に装着しても IBIS は働かない。

 ところが、手持ち撮影したVRが、意外に鑑賞に耐えることが判明した。
 カメラを構えるにあたり、ストラップを安定装置として使うことは、あるていど撮影慣れしていれば周知の技術だろう。これが、VR撮影でも効果的なのだ。手を伸ばしてカメラを前方に突き出しつつ(さもないと足先が写ってしまう)、ストラップがピンと張るようにする。ストラップが首に掛けておき、首の後ろとカメラ左右でストラップ形状を固定、カメラも安定させる。
 これでも手ぶれは残るが、残った手ぶれは実際の鑑賞時はそれほど気にならないと判明した。

 話がここで終わっていればまだ良かったのだが、世の中には一脚というものがある。
 三脚も一脚も禁止されている場所は多いが、三脚禁止または使用困難なのに対し一脚なら使えるという場面もまた多い。一脚は手ぶれ抑止だけでなく、機材の重さが負担にならないメリットもある。そこで、一脚による撮影を試してみた。VRの場合、一脚は真下に1本の棒が伸びるので三脚のように写り込まない。すなわち、支持棒など余計な装備を追加で必要としない。更に、一脚より前に足先が出ないようにすることで、不用意な映り込みを予防し易くなる。

 かくして「VR撮影に一脚だ」と試したが、これが皮算用に反して不快で鑑賞に耐えない映像が撮れてしまったのだ。
 一脚のようなしっかりした土台に手持ちという条件が加わると、ブレが小さくなるがブレの周期が短くなるのだ。小さな手ぶれでも、小刻みに高速振動するブレはVR鑑賞で極めて不快だと判明した。これなら、ストラップだけ使った手持ちの方が遥かに勝る。少なくとも、ストラップ方式で撮ればそのまま使い物になる。
 とは言え、一脚で撮った映像素材をボツにするのはもったいない。ブレの量は小さいのだから、後処理でソフト的に手ぶれ補正できないだろうか?
 魚眼レンズの画角は190度あるので、数度以内の手ぶれ補正ならほぼトリミング無しで対応可能だ。

 なお、微振動をレンズISで補正できる場合は、一脚は効果的である。VRではない通常のレンズ(光学手ぶれ補正内蔵)を使う撮影なら、使うに越したことはない。

 ともあれソフトウェアによる電子手ぶれ補正を試すとしても、処理は単純化せねばならない。
 ただでさえステッチに膨大な時間を要するのだ。元々が 8K60p という巨大データーである。真面目に手ぶれ補正やってたら、どれだけ時間を要するか分からない。
 微振動対応ということもあり、2軸のみの平行移動成分だけ補正すれば良いだろう。鑑賞で不快を感じないていどに修正できればいい。

 当たり前だが、左右の映像を同じように補正しないとマズい。となると、左右が独立した動画ファイルになっているのではなく、まとめた1つの動画になっている方が扱い易い。
 昨日までで完成した自作ステッチソフトが意外にリソース食わないこともあり、左右一緒にステッチしても GPU メモリーは足りるのではないか?
 仮に足りるなら、手ぶれ補正しない場合でもワークフローを単純化できる。試す価値はある。

written by higashino [Virtual Reality] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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